私は平塚へ引っ越す前、大磯に住んでいた。

大磯の西側、不動川沿いの生沢(いくさわ)という所。
すぐ近くに神揃山(かみそろいやま)があった。建売住宅を見学に行った時、ついでに小さな丘陵ともいえる神揃山に登って、そこの植生の豊かさにすっかりほれ込んでしまったのだ。

今回はいずれもこの神揃山で採集したものである。



ノイバラは日本の野生のバラの代表。花期は5月。白または淡ピンクの花弁の可憐な一重咲きで秋に実がなる。暑さ、寒さ、乾燥にも強く刈り込まれてもすぐに芽を出すたくましさを持つ。バラの園芸品種に房咲き性をもたらした原種。

2点の画像はクリックすると大きく見られます

バラ(バラ科)
chizuru60



ムラサキシキブは林のへりなどに多く、秋に紫色の実をつける。名の由来は、平安時代の女性作家「紫式部」ともいわれるが、もともとはムラサキシキミと呼ばれていたのが、ムラサキシキブになったという。シキミとは実がたくさんなるという意味だ。

ムラサキシキブ(クマツヅラ科)
chizuru61-1


前回ご紹介した徒然草に「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。」とつづられているが、私も花は満開の時のみをめでるのでなく、芽吹きの時、花の時、実をつける時、枯れゆく時、それぞれに独特の美しさがあり、それぞれの美しさを深く味わいたいと思っている。


お読みいただきまして ありがとうございます。
次号もお楽しみに!
千鶴.