梅雨明けから初夏にかけて花を咲かせてくれる植物に出会うと、季節の変化を実感できる。


ヨーロッパ原産で地中海沿岸に分布するの一年草のヤグルマギク。 
小花がたくさん集まった頭花。花びらの先端は大きく切れ込み、矢車を連想する花姿を生み出している。最高級のサファイアの色味の花が、トウモロコシ畑や麦畑の中で逞しく咲いていたことから「コーンフラワーブルー」というらしい。 花の青の美しさは格別である。


ヤグルマギク(キキョウ科)
日本では一部でヤグルマソウと呼ばれた時期があったが
ユキノシタ科のヤグルマソウと混同しないように現在ではヤグルマギクで統一されている。
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ヨーロッパ原産。フランスとスペインの国境にまたがるピレネー山脈などに分布する多年草のクロバナフウロ。 濃い黒紫の花色はめずらしく、とても魅力的である。バラの下草としてもよく栽培される。

クロバナフウロ(フウロソウ科)
花の色より和名は黒花風露。 変わらない愛情という花言葉を持つ。
果実の形状から長いくちばしのgerano(ツル)に因んで、ギリシャ語ではゲラニウム・ファエウム。




乾燥した草原や、道端などによく見られる多年草のヤマホタルブクロ。 
日本固有種で東北地方南部から近畿地方東部に分布。初夏に大きな釣鐘状の花を咲かせる。日陰でもよく育ち、匍匐枝(ほふくし)を横に出して増殖する。


ヤマホタルブクロ(キキョウ科)
外見はホタルブクロと変わらないが、蛍袋は萼のつけ根(萼片の間)がめくれて反り返っているのに対し、
ヤマホタルブクロ(山蛍袋)はその部分が盛り上がり丸く膨らんでいることで見分ける。



不快な蒸暑い季節だが、花との出逢いにより初夏の風が感じられ、やすらぎの時が生まれる。



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千鶴