2020年4月3日~4月9日開催の松本千鶴雑草画集原画展は、7日の緊急事態宣言を前後に挟んだ期間にあたってしまい世の中が大変な状況での開催になりました。この日付けは1年位前から決まっていたことであり、個展に向かって様々な準備がこの日に向かってなされていて、非常に複雑な心境のもとに置かれました。
 連日の報道を聞くにつけ、気持ちはドーンと落ちこんできます。この状況下でのギャラリーの加藤オーナーの力強い前向きな姿勢に励まされ、開催することに前向きになれました。何が起きるかわからない状況ながら、何が起きても受け止めるという覚悟のもとに開催を迎えました。

 会期中はずっとお天気に恵まれとても助かりました。平塚駅から茅ケ崎駅はJR東海道線一駅ですが、こんなにガランとしたJR車両を見たのも乗ったのも初めてでした。そして駅ビルの休業で、ガランとした駅。茅ヶ崎にしても平塚にしてもあんなに人のいない駅も初めてです。
 ギャラリーでは、上窓とベランダに抜ける扉を常時開放、ギャラリー入口、トイレの中にも、消毒薬とアルコールスプレイの手指消毒、マスク着用前提で始まりました。お客様のなかには、数人マスクをされていない方もおられましたが、マスク(事前にアマゾンで注文しておいた)を入口でつけていただきました。



 会場内の様子です。私は毎日、11時から午後4時、会場でご案内させていただきました。

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 今回は個展開催の前から、そして会期中もメールやお手紙で個展に来られない旨の連絡をたくさんいただいており、いつもの個展よりお客様は少なかったです。いつも来て下さるお客様にお会いできないことは本当に残念なことですが、この状況では仕方ありません。「涙が出てくるぐらい行きたいんですが・・・」とお電話くださった方もおられ、そのお言葉を聞いた時は、もうそのお言葉をいただくだけで十分とお伝えしました。

 またこんな状況でも来て下さるお客様もおられ、本当に有難く嬉しく思いました。「いくら見ても飽きない。」と言って下さり、2回、3回来てくださった方もおられます。「植物画は私にとっては不要、不急なことではない。」とおっしゃって来てくださった方もおられました。車や、自転車にて遠方からきてくださった方もおられます。
 来てくださった数々のお客様、たくさんの励ましのお言葉とお心遣いをいただきまして本当にありがとうございました!
心から感謝致します。

今回の展示は、雑草画集全270図中、の約5分の1です。
また、来年、再来年、またその次、どこかで皆様にみていただく機会があると思います。
またその時には、ブログ等でもお知らせしたいと思います。
是非、見にきていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します。

     

※  訂正のお知らせ
 画集の印刷が出来上がってきてからわかった訂正があります。申し訳ございません。2月7日売り出してすぐ画集を求めてくださったかたには、訂正票が挟まれていないので、以下をチェックし訂正しておいていただければ幸いです。お手数をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。

画像はクリックすると大きく見られます
画集正誤表


訂正票の印刷が終わってからもう2か所見つかりました。
P120 オニドコロの図
 (誤)雄株
 (正)雌株
P132のカラスムギの説明文6行目
 (誤)エンバク(オートギ)
 (正)エンバク(オートギ)



※  訂正の追加

 説明文の原本になっている「身近な草・キノコとの語らい」(藤沢市教育文化センター刊)は今から26年前に発行されたものであり、分類はクロンキスト体系をもとにしています。
 そして現在の2020年に至るまでに、遺伝子解析の研究により新しいAPG体系が最新の分類体系とされています。  この画集では、APG分類体系にしたがって変更した分類になっていますが、私の不勉強により古い体系のままになっている箇所が見つかりました。申し訳ございません。
お詫びして訂正させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。

P76  コミカンソウ
 (旧)トウダイグサ科
 (新)コミカンソウ科
P96  シロザ
 (旧)アカザ科
 (新)ヒユ科
P106 カナムグラ
 (旧)クワ科
 (新)アサ科
P111 ジャノヒゲ
 (旧)ユリ科
 (新)キジカクシ科
P111 ヤブラン
 (旧)ユリ科
 (新)キジカクシ科
P111 ヒメヤブラン
 (旧)ユリ科
 (新)キジカクシ科
p112 ノビル
 (旧)ユリ科
 (新)ヒガンバナ科
P112 ツルボ
 (旧)ユリ科
 (新)キジカクシ科

※ ジャノヒゲ・ヤブラン・ヒメヤブラン・ツルボのキジカクシ科は、書物によってはクサスギカズラ科になっております。
  「神奈川県植物誌2018」によると、クサスギカズラ科(別名 キジカクシ科)と記述されています。

 また以下は私の記憶違いによる間違いです。申し訳ございません。訂正よろしくお願い致します。

P150 ヒメヒオウギズイセン
 (誤)ユリ科
 (正)アヤメ科
P151 イチビ
 (誤)ナス科
 (正)アオイ科
P154 コナギ
 (誤)オモダカ科
 (正)ミズアオイ科
    



「湘南の身近な草との語らい」   
画像はクリックすると大きく見られます
湘南の草2


 今コロナウイルスの影響で外出が止められいるので、私は人々が身近な雑草に目を向ける大チャンスと思いました。
 私は今まで人々の目は遠くを見すぎているのではないかと思うことがとても多かったのです。 より目立ちより華やかにより贅沢により豊か(お金)に・・・・が強調されていました。 衣食住すべてにおいてそういう時代でした。そして園芸の世界にも同様のことを感じていました。 私はそうしたことをを批判したり否定したりするつもりは全くなく、全て認めたうえで、ちょっと度が過ぎているのではないかとは感じていました。

 時代の背景、風潮を超えて良いものは良いとして残っていくものははたして何なのか? そんな問いがいつも頭をよぎりました。

 コロナウイルスにより、強制的に家にいることになった今こそお庭や散歩の途中に見られる身近な植物たちにじっくり向き合い味わってながめてみる
ひとつのきっかけにこの画集がなれたら嬉しい限りです。

 画集の中にも、「すぐ足もとに広がるワンダーランド」と記していますが、どこにも行かなくてもすぐそばに時代を越えて生き残ってきたお宝の山が広がっていると私は思うのです。



☞ この雑草画集の幻戯書房の案内ページは、こちら

☞ アマゾンで御購入の場合は、こちら


お読みいただきまして ありがとうございます。

千鶴.