3月末から4月初旬、本格的な春の訪れを知らせるように、サクラのつぼみが一斉に開き始め、1週間ほどで咲き誇り、そして散ってゆく。

日本の春を象徴するサクラ。

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サクラ(バラ科)
この絵はオオシマザクラとヤマザクラの自然交配とみられるのでサクラとしてある
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マンション住まいの私にとって、枝を手に入れ桜を描くのは結構苦労である。

毎年、春になると藤沢市大庭の農家が、自分の庭に咲いたサクラの枝を切り、安く分けてくださる。バスや電車を乗り継ぎ、花びらを落とさぬように大切に持ち帰るが、それでも落ちてしまうことがある。  私は家に着くなりサクラの絵を描き始める。



主人が元気だったころ、知り合いのお庭に咲いたオオシマザクラをいただいてきたことがあった。 私はすぐに剣山にセットし、描き始めたことを思い出す。

オオシマザクラ(バラ科)
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みなさんはサクラというと一番にソメイヨシノを思い浮かべるでしょう。
ソメイヨシノは江戸時代末期に東京の染井村の植木屋から広まった、オオシマザクラとエドヒガンの雑種、花だけ先に咲き、葉は後から出る。

私は、昔から山にあり、葉と花が同時期に出る、ヤマザクラやオオシマザクラにとても心ひかれる。




また、この季節、河原や草原に目を向けるとショカツサイを見つけることができる。

中国からの帰化植物。3月から5月に開花。一年草だか繁殖力は強い。私はこの植物が大好き。植物画を始めてから一番たくさん描いたのがこのショカツサイ。


ショカツサイ(アブラナ科)
別名:オオアラセイトウとかハナダイコンとも言われる

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薄紫色の4枚の花びらをそよ風になびかせて咲く姿は、心に爽やかな気をながしてくれる。

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海岸の砂地には、淡紅色の可憐で美しい花を群生させるハマダイコンの姿を見つけられるのもこの季節。

ハマダイコン(アブラナ科)
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花後、水に浮かんで運ばれやすいようにスポンジ状の果皮を持ち、数珠状にくびれた果実を付ける。


自然のしくみ、知恵にあらためて驚かされる




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千鶴