ナズナというと、貧乏草の別名もあり、あまりにも何処でも見られるため軽んじられている気がする。
 しかし私にとっては、雑草の代表として懐かしく心に甦り、あの繊細な姿が大好きだ。

 
 ナズナ(ペンペングサ)  アブラナ科
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ナズナ
畑や庭のすみなどで普通に見られる越年草。
春の七草の一つで古くから食用とされた「撫菜(なでな)」から転じたといわれ、俳句や遊びなどでも広く親しまれている。
アセチルコリン・ブルシンなどの成分を含み、利尿・止血薬などに用いられた。
別名は実の形が三味線のばちに似ているため。
出典(藤沢市教育文化センター刊「身近な草・きのことの語らい」)

 
植物の名前で、何とひどい名前がつけられてしまったのだと驚いてしまうようなものがある。
例えば、ヘクソカズラ、ハキダメギク、ママコノシリヌグイ・・・そして貧乏草など。
 
没落した家をあらわすのに「屋根にペンペングサが生える」といった言い回しもある。
 人はそう言われると簡単にマイナスイメージを抱き、よく観察もせず嫌ってしまう。
私はそのことをとても残念に思う。
 どんな植物も名前のイメージをひとまず脇に置き、自分の目であらためて観察して、
それぞれの美しさ、かわいらしさ、おもしろさに触れてほしいと願っている。
 
 
※雑草研究家の稲垣栄洋(ひでひろ)氏の「雑草キャラクター図鑑」(誠文堂新光社刊)によると、
{ 「屋根にぺんぺん草が生える」は間違い。ナズナのタネは風にのったり鳥に運ばれることはないため、
高い場所に生えるのは無理だ。}そうだ。

お読みいただきまして ありがとうございます。
来月もお楽しみに!
千鶴.