ボタニカルアートと枯れた植物の魅力 〈4-1〉 
(江ノ電沿線新聞 2009年9月1日掲載より)

私は、毎日植物画を描いています。植物画(ボタニカルアート)とは、植物の肖像画ともいわれています。植物学的にみても正確で、芸術的にも美しいことが要求されます。というと難しそうに思えますが、植物に興味・関心があって、植物画が大好きな人ならだれでも描くことができます。まず、よく観察することです。観察すればするほど、描けば描くほど、植物の造形の美しさ、バランスの良さ、色の微妙さなど、新しい発見があり、感動があります。植物の形は、長い年月をかけた進化の果ての必然の形であり、葉1枚、花1輪の表情があなどれない奥深さを持っています。このことは、じっくりと植物と向き合い、観察し、デッサンすることで、初めて実感できると思います。 
次号へ続く(4ヶ月に渡って「ボタニカルアートと枯れた植物の魅力」を掲載します)

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キリ(キリ科)
キリ

銀座「野の花司」でこの枝に出会い、絵にすることができた。一つの実の中に粉のようにみえる種子がギッシリ詰まっている。種子は小さく翼があり風で飛ばされる。あのような大木(樹高10m以上)がこんな小さな種子(翼を入れて約3ミリ×4ミリ四方)から育ってくるとは想像つかないほどだ。


植物をデッサンするたびにその植物特有の形を意識させられる。葉の淵のギザギザ(鋸歯きょし)を描いている時、茎に葉柄(ようへい)がどんな角度でついているか観察している時、植物が私に話しかけてくる。「そうじゃない。よくみて!私はそんな形じゃない。私は他とは違う私だけの独特の形なんだ。」と…

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来月もお楽しみに!
千鶴.

・・・・・ お知らせ ・・・・・
4月に松本千鶴植物画教室生徒作品展が行われます。     

今回講師の個展はありません。講師は会期中、全日会場におります。
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是非ご来場ください。お待ちしております。
松本千鶴