松本千鶴の「やすらぎのボタニカルアート」

優しく温かなやすらぎ        日本のボタニカルアート         Gentle, warm, peace of mind    Japanese Botanical Art

2016年04月


薬草図鑑を開いてみると、私たちの周りの身近にある植物のほとんどに、何らかの薬効成分が含まれていることを知ることができる。

普段から気にも留めない植物たちに我々は太古から大変お世話になりっぱなしである。

全ての画像をクリックすると大きく見られます

バイモ(ユリ科)
中国原産、薬用植物として日本に入る。
球根は咳止め・止血・解熱などの薬用に利用される。
花は釣鐘に似ている。 球根が二枚貝に似ていることからバイモ(貝母)と名付けられた。

chizuru-6


日々私達が食している野菜をはじめ、中国の漢方や日本の本草学の歴史が、人と植物の深いかかわりを語っている。



スイバ(タデ科)
田の畦道や土手などに生える多年草で、スカンポ・スイコなどの名がある。
弱い下剤、利尿、健胃、整腸作用等があり、近年の研究では制がん効果があるとされている。
ヨーロッパでは食用として多くの品種が栽培され、特にフランスでは
サラダやソースの材料等に好んで食されているが、シュウ酸を含むので多くは食べないほうが良い。

chizuru-11
雄株と雌株とがあるが、この絵はつぼみの状態なので、もう少し咲かないと推定できない。


まだ現在でも知られていない、薬効ある成分などの科学的研究もすすんでいない植物が多数あるようだ。


身近にはびこってくると、うるさく思って引き抜いてしまう雑草だが、様々な成分を含んだ薬草という観点から、見直してみるのもおもしろい。



お読みいただきまして ありがとうございます。
次号もお楽しみに!
千鶴
    mixiチェック

どんな植物も花を咲かせる

実になる時は意識もするが
気づかずに過ぎ去ってしまいそうな花がある

私はある日の早朝
畑でサヤエンドウの花のブルーで透明な美しさに出会い
しばしそこにたたずみ見とれてしまった

全ての画像をクリックすると大きく見られます

サヤエンドウ(マメ科)
花はマメ科特有の蝶形花冠と呼ばれる形をし、花びらがピンク色から2・3日経つとブルーに変わる。
春から夏にかけて柔らかくて美味しいエンドウマメを付ける。
chizuru-14


なかには形がとても花と思えないものもある

花がどんなものか知らないということも多い

アケビ(アケビ科)
春早い時期に花を咲かせ、雄花より雌花の方が大きい。
つる性落葉低木で茎は古くなると木質化し、つるはカゴ細工に利用されたりする。
秋になると種が白い果肉で包まれ、甘く、食べられる。

chizuru-18



アケビやサヤエンドウもそんなことがいえるかもしれない。



お読みいただきまして ありがとうございます。
次号もお楽しみに!
千鶴
    mixiチェック


身近な植物を描き続けたい。
描きたいと心から思う植物を描きたい。

数多くある植物の中でも、一番惹かれるのは野草だ。


全ての画像をクリックすると大きく見られます

ハルノノゲシ(キク科)
田畑、道端周辺に咲くユーラシア(ヨーロッパ+アジア)原産の越(1)年草。
葉の形・茎や葉を切ると白い汁が出るところからケシに似ているのでノゲシの名がある。
全草を薬にしたり、実の毛を朱肉の綿にする。
-身近な草・きのことの語らい 藤沢市教育文化センター 刊より-
chizuru-18


それらは楚々としたたたずまいながら、驚くような生命力を内に秘めている。


ハハコグサ(キク科)
4~5月に花が咲き、春の七草の御形(おぎょう)である。
植物学者 牧野富太郎博士によれば茎・葉に綿毛が多く、実の毛がもこもことほうけ立つので、
「ホウコグサ」と呼ぶのが正しいという。最近少なくなって来ているように感じる。
chizuru-25

続きを読む
    mixiチェック

このページのトップヘ